台東区側からは真正面にド迫力のスカイツリーが聳え立っているのが見える。
日没とともにライトアップされると、被写体としての美しさが一層際立ち、歩く人も思わず立ち止まってしまいそうだ。
言問橋そのものは関東大震災の復興事業に伴って、昭和3年に新たに架けられたものである。
しかし、橋の外観よりはスカイツリーを望める場所として、そして70年以上も前のあの出来事の”証言者”としてこの橋は語られることが多いだろう。
3月10日は東京大空襲があった日。
昭和20年のこの日の夜にB29爆撃機による焼夷弾の爆撃が繰り広げられ、墨東地区を中心に10万人以上の命が奪われた。
この言問橋では「川向うに行けば助かる」と両側の住民たちが橋を渡って避難しようも、橋の上で両者がかち合い、そこへ焼夷弾が落ち、多くの死者を出した。
橋のたもとにある隅田公園には、犠牲者の慰霊碑がひっそりとっ立っている。
所々には大空襲の爪痕と思われるものを見かける。
あれから70年以上、決して色褪せることなく先々まで語り継がれなければならない。
アクセス:東武伊勢崎線「浅草駅」「とうきょうスカイツリー駅」いずれからも徒歩10分程度