供用開始が2010年3月と比較的新しい、首都高速道路の西新宿ジャンクション。
首都高速4号新宿線と中央環状線が交差するジャンクションで、見た目ダイナミックである。
都会の中にあるジャンクションだけに、周辺は高層ビルやホテルが林立し、ジャンクションとビルとの共演がみられる。
絶好のビューポイントは初台交差点の真上で、見どころは隙間に聳え立つオペラシティとのコラボだろう。
南東へは神田橋ジャンクション、南西には三宅坂ジャンクション、北西へは池袋を超えて板橋ジャンクションと三方向に分岐する。
付近には皇居があるのだが、このジャンクションの最大の特徴は皇居の堀の上の分岐に尽きるだろう。
お堀の上を走る高架がカーブし、石垣の上を貫くさまはダイナミック。
歴史的な建造物である江戸城のお堀と石垣と、現代的な建造物である首都高の高架の組み合わせは数少ない組み合わせだろう(他には神田橋ジャンクションか)。
上の写真にちらっと見えるアーチ橋が名前にもなっている竹橋で、大正15年に帝都復興事業一環で架けられた(現在の橋脚は平成5年に改修されたもの)。
撮影場所は東京メトロ東西線の竹橋駅近くで、「清水豪まちかど庭園」と呼ばれる広いスペースがあるので、そこで三脚を立てて撮ることができる。
堀の上を走る首都高の脇に見えるのが竹橋パレスサイドビル。
竹橋駅を降りるとすぐわかるぐらいインパクトある建物で、ランドマーク的存在だろう。
このビル自体、外観だけでなく内観も見所ある。
毎日新聞社が入るオフィスビルだが、飲食店街も入っており、誰でも気軽に入ることができる。
神田川に架かる萬世橋。
現在の橋は昭和5年(1930)に震災復興事業の一環として架け直されたもので、長さ26メートル、幅36メートルの石とコンクリート混成のアーチ橋である。
先代の橋は関東大震災では被災したもののすぐに修復されたように、焼失というほどの大被害ではなかったのだが、新たに地下鉄を開通させるにあたって渡航工事で水路変更が必要だったことから解体され、現在の橋に架け直された。
神田川に沿って伸びている赤煉瓦の建物は、明治45年に開業された万世橋駅の遺構で、駅舎の設計は東京駅と同じ辰野金吾によるものだった。
当初は中央線の原点である甲武鉄道のターミナル駅だったが、国有化後の大正8年に東京駅が完成すると中間駅となり、さらに東京~上野間の高架線(現在の京浜東北線・山手線)開通とともに利用客が減り、昭和18年に駅としての営業が休止される。
駅跡には休止前の昭和11年から平成18年まで鉄道博物館が入っていたが、現在はマーチエキュートという複合施設として再利用されている。
なお、地下鉄が萬世橋の下を開通し銀座まで延伸されるが、その工事中の昭和5年から2年弱ながら、東京地下鉄道の万世橋駅が暫定的に開業されている。
また、東京都電が運行された当時は万世橋電停もあり、隣の須田町とともに多くの路線が行き交うターミナル停留所でもあった。
ところで、萬世橋のたもとに建っている肉の万世のビルだが、3月いっぱいでこのビルでの営業を終える。
ビル老朽化が理由のようで、この風景が見られるのもあと僅かかも知れない。
肉の万世は秋葉原で闇市としてラジオ部品を販売していたのが原点で、のちに肉の卸売りに転じてからはステーキ・焼肉などを扱うレストラン、パーコー麺が名物のラーメン店をも手掛けるようになった。
首都高速の都心環状線と八重洲線をつなぐ、神田橋ジャンクション。
西には竹橋ジャンクション、東には江戸橋ジャンクション、南には西銀座ジャンクションと、三方向を分岐する役目をもっている。
両側の都環状線に挟まれる形で八重洲線がカーブしながら地下へ潜っていくが、車が通るたびに車線がレーザーのように描かれてゆく。
開業は東京五輪が開催される前の1963[昭和38]年と古い。
場所柄か東京駅や大手町からも近く、アクセスは比較的良好な場所にある。
撮影ポイントは神田川に架かる遊歩道「竜閑さくら橋」で、フットライトが灯されて雰囲気が良く、ドラマのロケでも登場するらしい。
反対向きには上野東京ラインを走行する電車も見られ、鉄道風景も望める。
河津桜とスカイツリーの組み合わせが見られる場所として「東武橋」を取り上げたが、実は東京タワーと河津桜の組み合わせが見られる場所もある。
まずは港区立芝公園。
浜松町駅か大門駅から増上寺に向かい、左手にある芝東照宮の並びにある公園。
芝公園と一言で言っても、実は三種類あり、よく知られる芝公園は東京都が管理する方。
ここで取り上げる芝公園は、港区が管理する「港区立芝公園」の方。
芝公園は広大な増上寺の境内地を近代公園化したもので明治6年に開園、12.2ヘクタールという広大な公園だが、その大部分は東京都が管理している。
その中に含まれるかのように、港区立芝公園がある。
その港区立芝公園の芝生内に一本の河津桜が立っており、この時期は東京タワーをバックに濃いピンク色の花を咲かせている。
実は「芝公園」は東京都、港区が管理する講演だけでなく、もう一つ、プリンスホテルが管理するものもある。
それがプリンス芝公園で、ザ・プリンスパークタワー東京の敷地内にある庭園を公園化し、一般にも開放したもので、公園なので宿泊者以外が入れないということはなく、誰でも入ることができる。
遊歩道はフットライトで照らされ、雰囲気が良く、あまり広く知られていないせいか人通りも多くないので、落ち着いた感じで東京タワーを観賞できる。
あいにく撮影したこの日は河津桜が植えられている芝生内には養生中のため入ることができなくなっているが、それでも桜とタワーの組み合わせを楽しめることには変わりがない。