前回の蔵の町栃木の夜 - 夜の風景~Sunset Landscape~の続きになるが、栃木市内には蔵の街並みが残る中心街に続く形で重伝建地区があるので、併せて夜の風景を撮ってみた。
大々的なライトアップこそされていないが、暖色系の電灯がレトロっぽさを出していて、暗さは感じなかった。
蔵の街・栃木はかつて日光例幣使街道の宿場町として栄えたが、その市内北部にある嘉右衛門町が平成24年に重要伝統的建造物群保存地区の指定を受けている。
「嘉右衛門町」という町名は、天正年間に岡田嘉右衛門という人物が荒れ地だった一帯を新田開発したことに由来、江戸時代に入り徳川幕府から「嘉右衛門新田村」という名前をいただいたという。
重伝建地区を代表する「岡田記念館」が湾曲する街道沿いに細長く連ねていて、その中に「代官屋敷跡」という大きな看板を掲げた門がある。
一時期は代官職も勤めていたそうで、現在も26代岡田嘉右衛門が住まわれているという。
元々は味噌工場だったが、現在はリフォームされ、観光の拠点として案内所として使われている。
天明年間創業の味噌問屋、明治時代の土蔵ほか5棟が国の登録有形文化財になっている。
現在もその一画で味噌田楽のお店を出している。
嘉右衛門町の入口に建っている洋風の外観の舘野家住宅。
伝統的な見世蔵や土蔵が並ぶ中でこうした洋風建築が残っているのは、近世の繁栄が近代にかけて続いていた証左でもある。